家づくりのポイント

2021.12.13

「ユニバーサルデザインの家:すべての人が快適に暮らせる住まいを実現するためのポイント」

ユニバーサルデザインの家:すべての人が快適に暮らせる住まいを実現するためのポイント

ユニバーサルデザインの家は、年齢や障がいの有無に関係なく、すべての人が快適に暮らせるように設計された住まいです。ここでは、ユニバーサルデザインの家を実現するための具体的なポイントを紹介します。

1. バリアフリー設計

  1. 段差のない床

    • フラットな床:玄関や室内の床は段差をなくし、フラットに設計します。これにより、車椅子やベビーカーの移動がスムーズになります。
    • スロープの設置:段差が避けられない場合には、スロープを設置して安全に移動できるようにします。滑りにくい素材を使用し、勾配も緩やかに設計しましょう。
  2. 広い廊下とドア

    • 幅広い廊下:車椅子や歩行器の利用を考慮し、廊下の幅を広く設計します。最低でも90cm以上の幅を確保することが望ましいです。
    • 引き戸の採用:引き戸は開閉がしやすく、スペースを取らないため、ユニバーサルデザインに適しています。特に、車椅子の利用者にとって便利です。

2. 安全性と使いやすさの確保

  1. 手すりの設置

    • 階段や廊下の手すり:階段や廊下には手すりを設置し、安全に移動できるようにします。手すりの高さは使いやすい位置に設置しましょう。
    • 浴室やトイレの手すり:浴室やトイレにも手すりを設置し、立ち上がりや移動のサポートをします。防錆加工された素材を使用すると良いでしょう。
  2. 滑りにくい床材

    • 安全な床材の選定:浴室や玄関など、水に濡れる場所には滑りにくい床材を選びます。タイルやノンスリップ加工が施されたフローリングが適しています。
    • 転倒防止:転倒を防ぐために、床の素材や仕上げに注意を払い、滑りにくい環境を整えます。

3. 使いやすいキッチンと浴室

  1. ユニバーサルキッチン

    • 作業台の高さ調整:作業台の高さを調整できるように設計し、立ったり座ったりしても使いやすいキッチンにします。車椅子の利用者にも対応できるようにしましょう。
    • 引き出し収納:キッチン収納は引き出しタイプにして、奥のものも取り出しやすくします。重いものは下の引き出しに収納し、使いやすさを高めます。
  2. バリアフリー浴室

    • 段差のない浴室:浴室には段差をなくし、フラットな床を設置します。滑りにくい床材を使用することで、安全性を確保します。
    • シャワーチェアの設置:シャワーチェアを設置することで、座ったままシャワーを浴びることができ、高齢者や障がい者にとって便利です。

4. 照明と視覚的な工夫

  1. 明るい照明

    • 適切な照明配置:室内全体を明るく照らす照明を配置し、影ができにくいようにします。特に、廊下や階段、玄関などの移動経路には十分な照明を設けます。
    • 調光機能:調光機能付きの照明を導入し、時間帯やシーンに合わせて明るさを調整できるようにします。
  2. 視覚的なコントラスト

    • 色のコントラスト:床と壁、家具と床などの間に視覚的なコントラストをつけることで、視認性を高めます。特に視力の低下した方には有効です。
    • 階段の識別:階段の縁にコントラストのある色を使い、段差がわかりやすいようにします。滑り止めテープも有効です。

5. 使いやすい収納

  1. 取り出しやすい収納

    • 低い位置の収納:高い位置の収納を避け、取り出しやすい低い位置に収納スペースを設けます。車椅子の利用者にも使いやすい高さを考慮します。
    • 引き出し式収納:引き出し式の収納を多く設け、奥のものも簡単に取り出せるようにします。キッチンやクローゼットに効果的です。
  2. 適切な収納配置

    • 各部屋に適した収納:各部屋の用途に応じた収納を設けます。例えば、玄関には靴やコートの収納スペース、リビングには日常使うアイテムの収納スペースを確保します。
    • スペースの有効活用:デッドスペースを有効に活用した収納設計を心がけます。階段下や壁面を利用した収納が効果的です。

6. スマートホーム技術の導入

  1. 音声アシスタント

    • 音声コントロール:照明や家電を音声で操作できる音声アシスタントを導入し、手を使わずに操作できる環境を整えます。高齢者や障がい者にとって便利です。
    • 緊急通報システム:音声アシスタントを使った緊急通報システムを設置し、緊急時に迅速に助けを求めることができます。
  2. 自動化システム

    • 自動照明:人感センサーを使って、自動で点灯・消灯する照明システムを導入します。夜間の移動が安全に行えます。
    • 自動カーテン:リモート操作やタイマー設定ができる自動カーテンを設置し、簡単に開閉できるようにします。

これらのポイントを参考に、ユニバーサルデザインの家を実現しましょう。バリアフリー設計や安全性、使いやすさを考慮したデザインを取り入れることで、すべての人が快適に暮らせる住まいを作ることができます。家族全員が安心して過ごせる住環境を提供し、長く愛される家を目指しましょう。